居心地の良い環境は少しの違い

 天井が低いと、圧迫感を感じ、天井が高いと開放感を感じるのは、誰でも経験したことがあると思います。
それが、家の場合には、人によっては、天井が高いと、落ち着かないという感覚になるかもしれませんし、天井が低い方が、勉学に集中できるということがあるかもしれません。そう言った方には、家全体が天井が高いのは、住みにくい環境ということが言えると思います。
インテリアの人間工学』では、人間の居心地の良さについて、少しの差で引き起こるという内容が記載されているので、紹介いたします。
“六〜八畳の程度の広さの居間をつくり、天井の高さをしだいに低く下げてくると、270cmから、230cmくらいまでの間は、空間の感じにそれほど差はないが、220cmを切ってそれよりも低い天井になると、ひどく圧迫感を感ずるようになる。その差はわずか10cmであるが、このあたりを境界にして、視覚による空間の性格は大きく違ってくるらしい。p.96”
天井の高さだけではなく、水平方向に対しても、同じような試験をしてくれています。
“先に述べた部屋で一辺の長さをだんだん狭くしていくと、270cmまではそれほど狭さを感じないが、240cmになると急に圧迫を感じはじめる。具体的には、京間の六畳間と団地サイズの八畳の差だと思えばよい。p.96”
著者はこのことから、「ある数値を境にして急に使いやすくなったり、使いにくくなったりする。」と述べています。
この試験的なことですが、どのように行ったことなのかは、具体的に書かれていないので、不明ではありますが、日本人の感覚であれば、この数値が一般的なのかもしれません。外国人の体格であれば、おそらくは、もう少し高くなるのだと思います。
おそらく、この天井の高さは、一般的であり、住居の基本として、私たちが意識することなく住んでいる住まいが、緻密に計算されている設計から成り立っていたということが分かります。
ですが、日本人の中でも、背の高い方はいらっしゃいます。おそらくその方にとっては、普通の家が窮屈に感じることもあるのだと思います。
別の本になりますが、『住宅・インテリアの教科書』では、建築家のコルビュジエさんが、導き出した黄金比から作った建造物の基準寸法の数列(モデュロール)によれば、手を伸ばして天井を図っている様子があり、日本人の場合には、210cm(165cmの身長の場合)、外国人は、226cm(183cmの身長の場合)としています。
先の試験では、220cmでしたが、これは210cmとなっており、これもまた10cmの差があります。
どちらが正しいというよりかは、結局、住む人が圧迫感を感じるかどうか、引っ越しをする前にどれだけ確認することができるか、なのかもしれません。
<参考文献>

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