様々な視点でモノと向き合うことができる環境づくり(OHP編)

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ここは、レッジョ・エミリアの「ローリス・マラグッチ国際センター」内になります。撮影することができない場所もあるのですが、大丈夫な場所は写真付きでご紹介させていただきます。

 

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センター内には、OHP(透過光で拡大し、スクリーンに映し出す機器)[※1] が置かれています。

これを使用することで、大きく写し出すことができます。現代の日本では、なかなかお目にかかれないような代物になってしまっていますね。台に乗っているのは、レミダ[※2] で仕入れた廃材ではないかと思われます。

 

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OHPで写し出されることによって、台に乗せたモノが、壁に大きく写ります。まずは、この状況に、子どもは興奮してしまうと思います。魔法のような感覚で、写っているモノを触ったり、それを触りに向かうと、自分の影も写るということも発見することができます。

OHPという機械を知ることは、仕組みを知ることにもつながり、そして、その機械を使うことによって、モノが大きく写り出されるということを、知ることができます。

大きく写り出されることによって、はじめは、なんでも台に置いて、ひたすらに試す、飽きて止める、という繰り返しになるかと思います。

このOHPの使い方に慣れてくると、その子の個性が、徐々に現れてきます。

 

例えば、

置いたモノを使って、壁をデザインしてみたり、

置くものを動かしたりして、物語を作って劇のように使ったり、

何かを置いて、見ている人に対して「これは何でしょうか」とクイズを出したり、

モノを細かく見ることができるという特徴を活かして、新しい発見をすることができたり、

置いてあるモノは、そのままにして、写し出されている壁でお話を始めたり、

ダンスを始めたり、歌い出したり、

 

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大人としては、「こうあって欲しい」「促したい方向がある」という気持ちが、あるかもしれませんが、子どもひとり、ひとりに、個性があり、そしてペースがあります。

そして、このOHPを行う時にも、何人か一緒に活動することになると思います。

その場で、喧嘩や、葛藤だってあるでしょう。それが、人間社会なのですから。この問題は付き纏います。

 

ひとりで、落ち着いて活動させることは、現実的には難しい問題なので(イタリアでも同じです)、適齢であったり、その日のコンディションということも、考慮しなければなりません。

 

ひとりではなく、複数人で、OHPに触れ合うことによって、多くの発見を共有することができます。何を発見するかは、子どもに任せ(その後、子ども同士で話し合える、共有し合える場所があると、感じたことを言葉にする練習をすることができると思います)、台に乗せる素材や、写し出すスクリーンなどの環境の用意を、クラスの担当者たちと話しあって、時間をかけるべきではないかと、個人的には思います。

そのためには、クラスを担当している大人たちが、実際にOHPを触ってみる必要があると思います。流れ作業のように、ただひとつの環境をして、機械的に経験をすることもできてしまいますが、そんな中でも、子どもたちは何かを感じ、何かに気が付いています。その小さな発見に耳を傾けることで、どのような環境を用意する必要があるのかという方向性が自ずと見えてきます。

担当の大人たちとは、この子どもたちの声と、大人が感じたこと、活動を振り返って、どうであったか、反省点や、改善点を繰り返して、次の活動ができるのが、理想的ではないかと思います。

実際には、そんな時間がないという問題はありますが、忘れないように、メモを残しておくということなら、可能ではないかと思います。前回の活動で、用意したモノ、活動に参加した人、そして、子どもたちが、つぶやいたことであったりを、簡単でいいので、残しておいて、また、そこに活動を続けて追加記入をしていけば、活動を連続して振り返ることができます。

しかも、そのメモを、日々の保育日誌にすれば、業務に追われることも節約できるのではないかと思います。また、1週間ごとに(体制にもよりますが)、その記録を元にして活動をどのように発展して言おうかということも、スムーズに会議も行えるのではないかと思っています。

 

保育の仕事は、勤務時間も長く、やることも多く、子どもたちの命を預かっていて、人生のうちで未来を形成する重要な時期に関わる仕事であるのだが、とても給料が安く、体力的にも、精神的にも酷なお仕事のひとつであると思っています。その中でも、プライベートを削って、勉強を常に、新しい知識を身につけていなければならないという立場でもあります。

すぐに保育の地位が今よりも良い方向に変わることは、難しい現実だと思いますが、職員のモチベーションをあげることであったり、業務の節約、シンプル化などは、できるのではないかと思います。このモチベーションは、日々の中にあると思っているので、できることを、積み重ねることで、働いている大人のためにもなり、何より、子どものためになり、それが、保護者のためにもなり、そして、社会のためにもなるのではないかと思っています。

言葉で言うのは簡単なのですが、実際に変化を起こすためには、体力を使います。急には変えられなくても、少しずつなら可能かもしれません。ですが、無理だけはされないように、心と体の健康を第一に取り組んで欲しいというのが、切な願いです。

毎日、本当にお疲れさまです。

 

< 註 >

[※1] OHPとは:https://ja.wikipedia.org/wiki/オーバーヘッドプロジェクタ

[※2]  レミダについて:「レミダ」という廃材マテリアル置き場

 

< 補足 >

OHPを使用する際の注意点は、写し出す光の部分が熱くなってしまうので、そこを目で見ないようにだとか、素材を置かないように(溶けてしまう可能性もあるため)、手をそこに置かないようにするということを、子どもたちに伝え、見守る必要があります。

 

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